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パイロットロード4とパイロットロード4GT。
雅@タッチ です。(∩°ω°)
最近のツーリングタイヤやスポーツツーリングタイヤのカテゴリーにおいて、車体重量のかさむ大型バイクや重量車バイク向けとしてベーシックタイプのタイヤに派生タイヤとしてGTスペックが出てきている。
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HPとか見ると大体が車両重量、車重が250Kg~260kg以上を対応としているんだけど・・・これが乾燥重量なのか整備重量(ガソリンやエンジンオイルなど込み)なのかが、情報が錯綜してるんだよね…
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パニアケース、サイドケースやトップケースが付いているかでも相当違ってくるじゃん?
むぅ...(=ω=)
実際のとこ…CB1300SF スーパーフォア や FJR1300A、GSX1300R隼 や ZZR1400 辺りの、フラッグシップのメガスポーツなら考えるまでもなくGTでGO!
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って話にもなるのだが・・・これらは250kgどころか280~300kg近く、良く話に出てくるR1200RTなんて正にここら辺りになる。
それに比べて・・・
バンディット1250Fって…良く言えばどちらも破綻なく楽しめるが、悪く言えばどちらも100%のパフォーマンスを甘受するのは難しくなっている。
自分もそうだが…スタンダードにするかGTスペックにするか悩む人は多いだろう。
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バンディット1250SもだがBandit1250Fは順当に考えるなら・・・
パニアケース装着、それもフルパニア、トリプルケースなら(当然タンデムが多い場合も)使い方からも積載安定性は欲しいのでGTスペック。
マフラー交換など軽量化してたりパニアケースが付いてない素の状態ならグリップ優先でスタンダードの方が無難って感じになるのかな?
ただ個人的には・・・
『グリップや接地感にこだわるなら』ばスタンダードタイヤをオススメする。
実際のとこノーマルとGTの違いや差ってなんだろ?って話なのだが・・・
それは簡単に言うと『タイヤの構造』がワンランク硬くなっているのが最大の特徴…注意すべきは「タイヤ」ではなく「構造」が硬くなっているって事だ。
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で、各社ごとに違いをつけている箇所は微妙に違っているのだが総じて違っている部分で『重要かつ影響が大きい』のがカーカスの材質や編み方の違いだろう。
ではそれが違って硬いと、一体どう変わるのか…って話になる。
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それは車両総重量が重たいバイクに対して旋回性を高める事が出来るので、峠や市街地でカーブ進入時のバンクにおいて違いが出てくるのだ。
そもそもなぜ重量車向けの構造の硬いタイヤが出てきたのかだが・・・
それはタイヤが荷重に負けてタイヤがたわみ過ぎ、トレッド面が『潰れ過ぎる』とキャンバースラストを得られず旋回性が悪くなるからだ。
ぞくに言う「プロファイルが崩れる」って現象が起こる。
なのでタイヤの構造を硬くする事でタイヤのタワミを最適にコントロールし、重いリッターオーバーのバイクや荷物やタンデムで積載重量がかさんでも高い旋回性を確保する事がGTスペックの目的だ。
タイヤはたわんで潰れる事でライダーに接地感を与え、この接地感は安心感を高める。
しかしバイクはキャンバースラストと言って、円錐を転がせば円を描くのと同じ理論で旋回する。
つまりタイヤの丸い形を常にキープ出来れば高い旋回力をキープできるが、たわみ過ぎたり潰れ過ぎたりするとその旋回力や旋回性が落ちてしまうのだ。
なので…タイヤ全体でしなるバイアスタイヤはまた違ってくるのだがラジアルタイヤの理想は、サイドウォールは積極的にたわませて接地感&安心感をライダーに与え、トレッド面は比較的形状をキープさせる(プロファイルを保つ)事で旋回性を高める形にする事だ。
つまりラジアルタイヤの特性を一歩強めに出したタイヤと言えるのだが、その理想は『綺麗な路面状況において』との付属が付く。
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路面状況が千変万化するストリートでは、人によってトレッド面のたわみが少ない事からくる硬質感やタイヤ跳ね、それに伴うグリップ感やラグジュアリー感、コンフォ-ト性の減少が恐怖を覚え微妙だったりもする。
だが高速道路での高速走行など直線が多い環境では、トレッド面の遠心力による膨張や変形を最小限に抑え、直進安定性、快適性により優れた性能を与えられる一面もある。
またトレッド面が強固なのでエアボリュームでタイヤの形状保全を計る必要性が低くなる。
その為に無理に空気圧を高め過ぎる必要がなくなりサイドウォールのを積極的にたわませる…なんてセッティングの方向性も選択肢として出てくる。
そして構造から剛性を出している事からトレッド面のゴムなどはそのままスタンダードと同じ材質や硬さで使用できる。
つまりトレッド面のしなりの差異から、接地面の面圧や接地面積などグリップ性能のダウン要素が多少は有れど、綺麗な路面ならばグリップ自体はそんなに落ちる事は無い。
そしてノーマルと同じ素材ゴムなので、硬いタイヤに良くある、鉄板の上を走っているような接地感がなくてツルツルするような不安感をあおる要素は少なくてすむって感じだ。
なので長距離高速ツーリング向けなだけでなくサーキットなどかっ飛ばしの人は、あえてGTスペックのチョイスも選択肢の一つとして悪くなかったりもする。
あとコレは状況によって良し悪しではあるのだが、雨天の濡れた路面の場合・・・バイアスと違ってラジアルはタイヤの溝、グルーブの撥水性能をキッチリとを発揮させる為にはトレッド面は潰さずに立っている方が良い。
ここら辺りはグリップなどが関係する面圧や雨水と路面の表面張力など、色々な要素が複合するので一概にどっちが…とは言えないけど
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とまぁ…技術面かつ性能的な話はそうなのだが、ぶっちゃけそんなモノは建て前!
要はトレッド面をガッチリと硬くして変形を少なくし、発熱を抑えて磨耗を少なくし耐久性を上げ・・・財布の紐が固いケチな消費者にたいして
コストパフォーマンスの向上アピールが主な理由だ。
(悪魔で私見ですby某執事)
だが実際、タイヤメーカーの人も日本の道路状況をみると『性能優先ならスタンダード一択』と言っている。
ちなみに上記の話はドイツやオーストリアなどヨーロッパ辺りでの使われ方をベースに言っているようだ。
国産ならFJR1300や1400GTRとか、BMWならR1200RTやK1600GT/GTLやK1300GTなど…車重が軒並み270キロ~300キロのバイクで、トップケースとサイドケースのフルパニアで荷物満載&タンデム。
それも日本人にくらべ大柄な体格のゲルマン系ライダーが基準に考えられている。ちなみに想定体重だが・・・
国産バイクは大型で60~65kg、しかし欧州ターゲットの逆車は80~90kgだ。
そんな状態で時速160キロ前後の速度で何百キロもの距離を走り抜けるような…特にアウトバーンは意外に加速減速があるようで、車線を塞がれ160km/h巡航から急減速、100km/hまで落として前が空けばすぐまた160km/hまで再加速といったアクセルのオンオフが頻繁だったりする。
そんな使用方法なのだから勿論の事、サスペンションのセッティングも日本の滑らかな動きを主眼としたモノとは違い、高負荷かつ超高速走行に対応できるようガッチリと固められており、タイヤに掛かるストレスは日本の走行とはまったく違っている。
当然、そこにはタイヤ剛性やトレッド面のゴム剥離予防に対する堅牢さ、積載安定性って要素も重要になってくる・・・つまりタイヤに瞬間的な過大荷重に対して踏ん張る余力を与えているのだ。
サスペンションの性能によっても感想は変わってくるが、リッターバイクをはじめとした重量級の大型バイクでは適正空気圧でもタイヤが柔らかく感じる場合があり、車種によっては適正空気圧+αがコツって言われているバイクもある。
実際、Bandit1250Fどころかバンディット1200Sのファイナルエディションで、荷物満載の北海道ツーリングでそのような感覚になり、空気圧を足せば本当にカチカチタイヤ、規定値だとなんか柔い…そんな感じになり悩んだ事が有った。
好みやセンスにもよるだろうが…そんな時こそ空気圧、エアボリュームではなくタイヤ構造から剛性があるGTスペックのタイヤは俄然価値が出てきたりする。
つまり結局は・・・
話は最初に戻るが、Bandit1250Fのようなボーダーライン上のバイクは『どちらでもOK! 使い方によって選べば良い』って話になる。
年間走行距離が1万キロを超えたり、長距離や泊まりがけで高速多用のグランドツーリング派で、グリップや感触よりも対磨耗性ってならGTスペック。
逆に年間走行距離が短く2年程でスリップサイン近くまで使い切れない、タンデムや北海道ツーリングや九州ツーリングなど荷物満載の機会が少ないならば、グリップや感触を優先してスタンダード。
・・・って感じになる。
こんな話をした上でなお
「それでもどちらか決められず悩んでて…」と、自分が聞かれた場合は・・・
(スタンダードのBT023を約13Kgのパニアケースを付けて愛用してきた経験から)
「先ずは1回スタンダードを使ってみれば?」と答えるだろう。
メーカーの公表する推奨重量から20Kg~40Kgも車重が上のガチなバイクならまだしも・・・
バンディットならば一度メーカーが創り上げたスタンダードの性能を体験してから、その後にGTスペックにしても良いのだから。
うむ( ̄ω ̄)ノ
おまけ・・・・